受講生インタビュー

キッチン・アウトドア用品の自社ブランド「イワノ」の認知度UPへ 地道なリサーチと物事を俯瞰する視点でメディア掲載獲得―林美千恵さん

夫の設立した会社で広報や財務などの業務を担う、PR塾生の林美千恵さん。会社設立当初は広報の担当を置くことすら考えていなかったそうです。メディア掲載獲得だけではなく、ご自身の視点が大きく変化したというPR塾での学びについてお話をうかがいました。

PROFILE

株式会社ユニバーサル物産取締役
南山大学法学部卒。三菱U F J銀行(現在)へ勤務。法人向け外国為替業務、海外進出支援などを担当。
16年間の銀行員生活を経て、2014年夫と共に株式会社ユニバーサル物産を設立。
キッチン・アウトドア用品ブランドのイワノを作る。
ブランドのシグネチャーであるホットサンドメーカーはシリーズ累計販売13万台を突破。
会社としてこども食堂ネットワークへの製品寄贈や児童養護施設への寄付などを行い、社会貢献にも関心を持つ。
現在は会社の広報・財務関係を担う。
二人の娘の母。

オンラインストア:https://i-wano.com/
会社Instagram:https://www.instagram.com/iwano_official

16年間の金融キャリアを手離し夫と会社設立

-以前は金融機関にお勤めだったのですか?

はい、金融機関で働きたくて、大学を卒業して現在の三菱UFJ銀行に就職しました。支店で外為業務を6年、本部で国際関係や企業の海外進出などに10年ほど関わっていました。
仕事は面白くて、チームでの働き方、外為市場の動き方、企業の海外進出支援のためのセミナー運営など、今思えばたくさんの経験をすることができました。

-やりがいのあるお仕事だったと思うのですが、転職されたきっかけは?

 2014年に夫が起業して株式会社ユニバーサル物産を設立したので、私も輸入関係や経理を念頭に半年遅れて加わりました。銀行での仕事は「やり切った」と思えるタイミングで、むしろ違うことをやってみたかったので、悩むことはありませんでした。

-どんな商品を扱う会社なのですか?

2016年に「イワノ」というブランドを立ち上げました。最初はマーケットイン(お客様の求めているものを汲み取って商品化する考え方)で、当時需要のあったヨーグルトメーカーを作るところから始まったんです。そこからだんだんキッチン・アウトドア用品を中心にラインナップを増やしていきました。

(イワノのホットサンドメーカー)

リブランディングとPR設計は同じだった

-去年「イワノ」をリブランディングされたとお聞きしましたが。

商品ありきで始まったブランドなので、ブランドの軸がないまま商品群だけが増えていました。今後の商品開発のためにも一本の軸を通す必要があると考え、リブランディングに取り組むことにしました。
ブランディングの会社にも入っていだきましたが、どういう人に使ってほしいのか、イワノが伝えたいことは何なのかーなど、自分たちで一から全部棚卸しするところから始めたので、すごく時間がかかるし、形のないことに頭を使って具体化していくというのは苦しい作業でもありました。でもやるのとやらないのとでは「全然違う」と思ったんです。この内容はまさにPR塾で学ぶ「PR設計」と同じことでした。

-リブランディングだけでなく、PRにも目を向けたのはなぜですか?

 自社に足りないものは認知度だということは実感していましたが、高める方法が分かりませんでした。「新商品を出しました」というプレスリリースを出したことはあって、反響がなかったわけではないのですが、自分たちの望む反響は得られなかったので、PRを学ぼうと思いました。
 PR代行会社にお願いすることも考えましたが、やはり一番熱量が大きくて理解が深いのは自分たちなので、自社でやりたかったんです。

-PR塾を選んだきっかけは?

もうずいぶん前の話ですが、朝日新聞の土曜版で笹木郁乃さんの記事を読んで「こんなに若い女性がエアウィーヴを有名にしたんだ。すごいな」と思ったことがあって。当時まだ銀行員で、自分がPRをするとは思っていませんでしたが、去年の9月くらいにプレジデントオンラインで郁乃さんの記事を読んだ時に「もしかしてあの時の女性なのでは?」と繋がって。
この方に教えてもらえるなら参加してみたい!と思ったんです。まずは三木佳世子さんのプレスリリースの書き方講座を受けて、自分でプレスリリースを書いてみて、迷わず入塾の申し込みをしました。

-PR塾に入って最初の印象はいかがでしたか?

 まずニックネームで呼び合うことに驚きました。いままでの環境と違いすぎて(笑) 本講義やアウトプット練習会のブレイクアウトルームで、慣れている方が色々教えてくださってすぐに馴染めました。
 それから、皆さんがSlackに書き込まれる成果報告や添削などを初めて見た時には、正直圧倒されて、かなり前までさかのぼってチェックしました。

常にメディア目線で物事を分析 PRに生かせるように

-書かれるプレスリリースが、どんどんブラッシュアップされている印象なのですが、意識して工夫されていることはありますか?

社会課題と世の中への価値提供をどう入れるかというのは常に考えて書いています。これはPR塾で、いつも言われ続けていることなので、ようやく身についたところかなと思います。
自分が新聞や雑誌の記事を読むときも、「どうしてこの記事はここに出ているんだろう」と因数分解して読むのがクセになりました。
例えば、「レンジで温めてすぐ食べられる“パックご飯”の売り上げが伸びている」という記事を読んだら、米の消費量が減る中でパックのご飯の売り上げが伸びているということは、手軽にご飯を食べたいというニーズは高まっている。これはイワノの「おひつ」のPRに活かせるのではないか?―という感じで分析しています。

(イワノの「おひつ」の色展開について打ち合わせをする林さん)

-たくさん成果を出されていますが、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

一番初めに、中部経済新聞に掲載された時のことなのですが、土曜版に署名記事を書かれていた女性記者を検索したら、個人的なブログから若い記者さんだということが分かりました。記事の感想を書いたお手紙を送ったらお電話をくださったので、思いを伝えたら取材に繋がったんです。商品のことだけでなく、会社全体のことも取材していただき、割と大きい記事が掲載されました。今でもその記者さんとはやりとりが続いていて、人と人との関係が作れたのもとても嬉しいです。
最近だとMartにホットサンドメーカーが掲載されたら、その後WEB版に掲載され、さらにYahoo!に転載されたのも嬉しかったですね。

(イワノのホットサンドメーカーが【Mart春号】掲載)

―PR塾で気に入っているところはありますか?

プレスリリースや企画書をとても丁寧に添削してくださるところが嬉しいです。週明けとか、本数が多くて大変だろうなと思うんですが、それでも皆さんに丁寧に添削して返されていますよね。
 それから、講義や懇親会でほかの受講生との横のつながりができることもありがたいです。人柄の良い方が多いんですよ。広報の仕事をされている方って、周りにあまりいないのですごく励みになりますし、情報共有ができるのが嬉しいです。

-今後叶えたい夢や目標を聞かせてください。

 自社のブランドの認知度が上がって、全然知らない人が電車の中やレストランで「イワノの新商品見た?」って話しているのを聞くのが夢です。
弊社のミッションは「幸せの在りかを照らす」、イワノのブランドアイデンティティは「人と人の、アイだ」なのですが、「アイ」は「愛」であり「会い」そして「間」でもあります。使って楽しかったなと思ってもらえる商品作りを通して、幸せのありかを照らして行きたい、小さな幸せに寄り添いたいと思っています。
 そしてPRの力で大手メディアに、「ブランド」や「会社」として掘り下げた記事が掲載される機会を増やしていきたいですね。

-最後に、入塾を検討されている方にひとことお願いします。

 PR塾に入って一番良かったなと思うのは、常に「メディアから見てどう捉えられているか」ということを頭の中に描けるようになったことです。どう見られたいか、どう見せたいかを客観視して伝えることは、商品だけではなく、会社全体の在り方にも影響しますよね。
以前は常に目の前のことに対処するような、近視眼的な視点で物事を捉えていたのですが、目の前で何か起きていても俯瞰して遠くを見られるようになったのも、大きな変化でした。PR塾を選んで後悔はしないと思いますよ。

-ありがとうございました。これからの「イワノ」と林さんのご活躍を楽しみにしています。

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