受講生インタビュー

外資系デンタルケア企業の日本法人CEO 広告費を下げても売り上げ水準をキープさせた方法とは?―伊藤祐さん

ヘッドハンティングで34歳の若さで、外資系デンタルケア企業の日本法人CEOを務める伊藤さん。広告費をかけることで売り上げを伸ばしてきた手法は日本では通用せず、赤字幅が膨らむ一方。危機感を募らせ、CEO自らがPRを学び実践すると3カ月足らずで広告費を下げても売り上げ水準をキープ!伊藤さんがメディアにアプローチしたのは、主力商品ともう1つ、それは自分のキャリア!「日本のPRはサスティナブルで健全でケーススタディになり得る」とシンガポールの創業者も注目する伊藤さんのメディア戦略やこれからの目標について伺いました。

■PROFILE

外資系デンタルケア企業の日本法人「Zenyum Japan」の代表取締役社長。

「口腔ケア領域で、最高のSmileのための最高のサービスを提供し続ける」という会社のミッションを推進する傍ら、「グローバル企業の日本法人経営者」という新時代のキャリアを普及させるべく、講演や執筆活動に積極的に取り組んでいる。

URL

HP: https://www.zenyum.com/jp-ja

Twitter: https://twitter.com/TasukuIto5

Instagram: https://www.instagram.com/zenyum.jp/

(Zenyum創業者Julian&日本チームの写真)

SNS経由のヘッドハンティングでCEOに

-現在34歳の伊藤さん、昨年9月から日本初進出の外資系デンタルケア企業(マウスピース矯正)で日本法人のCEOをされていますが、これまでのキャリアについて少しお聞かせ頂けますか?

 大学卒業後、20代は外資系のコンサルティングファーム2社で働きました。コンサルタントはどちらかというとアドバイス中心の裏方の仕事で、もっと売り上げの責任やビジネスを前に進めていく経験を積みたいと考え、30歳のとき、経営企画に携わることができるホテル関連企業へ転職しました。

-視点がすごく海外に向いていますね。もともと、グローバル企業にこだわりがあったのですか?

  そんなカッコいい感じではなくて、じつは大学時代に、いわゆる「やりたいこと」や「就きたい職業」っていうのがあんまりなかったんです。ただ、 「一生懸命働きたい」「若いうちに稼ぐ力をつけたい」という気持ちはすごくあって、それに横文字の外資系企業ってカッコいいなと、当時の僕は感じていました。若いうちは体力の限界まで働きたいと考えていたので、結果にコミットし全集中できるコンサルティング会社に絞って就職活動しました。 

 30代に入り、キャリアアップを視野に海外でMBAを取得しようと勉強を始めて、SNSのLinkedInに今までの仕事歴や経験をアップデートしていました。それを見たヘッドハンターの方から何件かご連絡をいただいた中の1つが、今CEOを務める外資系デンタルケア企業「Zenyum Japan」だったんです。日本進出に伴って社長になってくれる人を探しているということでした。仕事の内容が、MBA取得後に描いていたキャリアプランとも重なったので、それならと、候補者が何人かいましたが、選考を受け、選んでもらうことができました。

知名度がない状態で広告を回してもお金が溶けていくだけ

-SNSからヘッドハンティング!これからの時代のチャンスの掴み方、という感じがします!  

PR塾へ入られたのはCEO就任から約1年後の今年7月。「Zenyum Japan」のメイン商品であるマウスピース矯正を日本に広めるため、ですね。

 広告は、お金がかかる割には効果は限定的で、PRという形でメディアに取り上げられ、売り込みじゃない形で知名度が上がり、売り上げに繋がっていく、そういう流れを早く作りたいと思っていました。プレスリリース作成など、フリーのPRの方にお願いしたこともあったのですが結果が出なくて。それならもう自分でやった方が早いと思って、実践しながら教えてもらえるところを探して、PR塾にたどり着きました。

-伊藤さんは入塾前に無料の「プレスリリースセミナー」にも参加されていますね。こちらはいかがでしたか?

 プレスリリースの書き方を短時間で学ぶことができて、すごく面白かったです。そこで強く感じたのが、「パーソナライズされた、しっかり個別化されたプレスリリースを書かないといけない」という、言われてみれば本当にその通りのことなんですけど、これまではプレスリリースをPR TIMESに送って、あとは取材の連絡をただ待っているだけだったので、これだとメディアPRが上手くいかないのは当然だったなということがわかりました。

-何が入塾の決め手になりましたか?

 このプレスリリースセミナーで、代表の郁乃さんが過去にメディア取材の連鎖=「シャンパンタワー」を起こして露出が増え、それに伴って売り上げが上がっていったというグラフを見たことです。この時、まさに僕自身もそのような形でビジネスを伸ばしていきたいと強く思いました。郁乃さんだけでなく、受講生の方々も結果を出されていたので信頼度は高かったです。

(産経新聞様取材風景)

メディアPRは好きで得意なことだった

-CEO自らが学んで実践すると決めたのですね。

 日本法人はまだまだ立ち上がったばかりで社長の僕がまずは色々やらなくちゃいけないというのもあるんですが、僕自身、「良いものをしっかりアピールして魅力を伝え、広めていく」というのが、これまでやってきた仕事の経験もあって、得意なんですね。プレスリリースや企画書を書いたり、取材対応で人と話すのも苦じゃない。ゼニュムのマウスピース矯正は痛くない、お金も従来ほどかけなくてできる、これをもっと広めたい!この情熱を持ってるのは社長である僕が一番なので、自分で学んで実践するのが最も「投資効率」が良いと考えました。

-PR塾に入ってみていかがでしたか?

 オンラインコミュニティの運営ってすごく難しいものだと思うんですが、活用する上でのルールもわかりやすくて仕組化がしっかりされつつも、一つ一つの質問にも丁寧に返答をもらえて、きめ細やかさを感じました。

「学ぶことを目的にしない」、とにかく実践!

-入塾してからはメディアPRに積極的に取り組まれ、2カ月目から取材獲得!           CEOとPR塾の学びと実践にどのように取り組まれたのですか?

 「お金をかけずにお客さんを集める」というのがビジネスの最重要課題だったので、PR塾での 学びと実践を最優先にしようと考えました。PR塾のコンテンツはとても多くて、じつはまだ動画も全て見れていないんですが、入学式で佳世さんが「学ぶことを目的にしないで」とアドバイス頂いたことを忘れず、その通りにしています。

  リリースを出したいと思ったら、「リリースの書き方」の動画だけを見るというように、自分がしたい行動をもとに、PR塾のコンテンツを使うようにしています。「全部学んでできるようになってからやろう」じゃなくて、やってみて、わからないことが出てきたら動画やテキスト、添削を活用する感じで、時間でいうと、1日に3時間くらいですかね。

-メディアへは、マウスピース矯正を真正面からPRするのではなく、少し違った角度から、伊藤さんのこれまでのご経歴を「新時代のキャリア”グローバル企業の日本法人経営者”のススメ」という形でまとめ、専門家としてのPRをすることでWEBメディアの連載も獲得されていますね。

(ウェブメディア名:biz SPAフレッシュ)タイトル「グローバルで生き抜くためのシゴトの裏ワザ」

https://bizspa.jp/series/global-sigoto/

 自分がやれそうなことで、且つやりたくて、取材もされやすい角度からのアプローチ方法でした。これは、講師の由佳さん(高村由佳)がSlack上での日頃のコミュニケーションや個別コンサルの中で気づいて提案いただいたもので、自分一人だったらその切り口はきっと見つけられなかったと思います。

-商品より先にCEOの伊藤さんご自身が専門家としてメディアに出ていくことになったのですね。

 これまでのキャリア全て自分のことなので当然わかりやすく伝えることができますし、僕自身の 取材を受けていく中で、商品であるマウスピース矯正にも自然とフォーカスがされていくと感じています。こういうアプローチの仕方を実践してみて、やっぱりその社会性とかタイミングとか、メディア視点でみて「これって何で今取り上げるべきなのか?」「取り上げたくなる話題なのか?」という視点を強く意識するようになりました。ダイレクトなセールスではない、相手が知りたい視点を考える、長期的な関係構築の大切さをより丁寧に考えることができるようになりました。

(BS11様取材風景)

PRの取り組みは、サスティナブル

-PR塾で学びを行動に移して、会社にはどのような変化がありましたか?

 詳しい数字はなかなかお伝えできないのですが、入塾してPRを実践し始めた頃から、社名や商品名での「指名検索数」が右肩上がりでどんどん上がっていってるんです。広告費を下げても、売り上げ額はこれまでの水準をキープできているので、財政上非常にありがたい状況になってるのは間違いありません。そのおかげか「最近、よくメディアで見かけるよね」と言ってもらうことも増えてきました。歯列の矯正というと、、ワイヤーで痛みを伴うもの、という認識がまだまだ根強いんですが、歯に装着するだけのマウスピースタイプのものもあると知ってもらうことさえできれば、必要としている人に届けることができて、ビジネスとしても上手くいくという兆しがあって、この流れを入塾して3カ月ほどで作れたことが本当に良かったと思っています。

-シンガポールにいるゼニュム創業者のジュリアン氏はどう感じているのでしょうか?

 僕からは日々、現状をこまめに伝えているのですが、「今のこの不景気の時代において、とても健全で持続可能なビジネスをつくるという意味で、日本はケーススタディになり得る」と、とても高く評価してくれています。景気が良くない中で売り上げをどんどん伸ばすというのは結構難しいことなんですが、そんな中でも知名度が上がっていることを明確に示すことができて、広告費の削減にも繋げられていることを日本法人の代表として語れるようになれて、ボスともより良い信頼関係を築くことができ、とてもありがたいです。

-海外ではビジネスにおいて「メディアPR」のような手法はないのでしょうか?

 あまりない気がします。創業者のジュリアン氏はとても有名な起業家でカリスマ性もあってしかもイケメンなので取材はたくさん受けていますが、戦略的にやっている感じはしません。社内にマーケティングチームはあっても、PRチームというのは聞いたことがないです。

-PR塾に入って伊藤さんご自身が得たものは何ですか?

 ふわっとしているんですけど、「迷いがなくなった」っていうことかなと思ってます。PRで何かやりたいことが出てきたときに質問すると、方向性やアプローチ方法についてアドバイスをもらえたり、「メディア交流会」には必ず参加していますが、現役のメディアの方からのフィードバックを素直に実践したり、「次、どうしよう?困ったな…。」と、行動がストップすることがなくなりました。止まりそうになったら、質問を投げかけて、そうすると何かしらの良い提案を講師の方々からもらえるので、どんどん行動に移していける、そういった意味で、迷いがなくなりました。

 「メディア取材獲得」という結果も、こうした行動の積み重ねが、後々になって出てくると思っているので、PR塾には行って、結果のもととなる行動を迷いなく積み重ねられる素晴らしい環境を得ることができたと感じています。

(新宿マルイでのポップアップストアでの1枚)

「痛いから、高いから」マウスピース矯正を一度は諦めた人にゼニュムを知ってもらいたい

-今後の目標についてお聞かせ下さい。

 マウスピース矯正の良さを皆さんに知っていただくのが僕のミッションです。歯並びを矯正して自分の笑顔が好きになれたという方もいますし、健康面では虫歯リスクを下げることにもつながります。これまで、痛みや値段の高さを理由に矯正を諦めていた人にも、ゼニュムなら安心してできると伝えたいです。まだまだ僕の力不足で、必要としている方へ広めきれていないので、これからもっともっと貢献していきたいです。そのためにも、メディア取材の「シャンパンタワー」を起こしたい、そこに向かって全集中していきたいです。アプローチの仕方やもちろん、情熱も必要だと思います。そこはPR塾の講師の皆さんの知見とかアドバイスを頂きながら、毎日最低1件は電話やメールでメディアアプローチをする、ということをコツコツ続けながら実現させたいです。

-最後に、PR塾への入塾を検討されている方へメッセージをお願いします。

 会社を経営していると、最終的にはやっぱり利益を出さないといけない。そのためにできることは、売り上げを上げるかコストを下げるか、この2つしかなくて、PRは中長期的にみて両方に繋がるとても良いやり方だと思っています。広告費をかけてWEBマーケティングをやっていくとどんどんお金がなくなっていきます。でもPRができてメディアからの取材実績があれば、そこをベースに一部広告を取り入れたりしてコストを抑えることもできます。自分の会社のことを一番わかっているのが経営者だと思うんです。その思いの強さ、深さはメディアの方にもきっと伝わると思います。売り上げを上げることとコストを下げること、この最も大事な仕事に直結しているのがPRだと思うのでその方法を体系的に学んでみたい方にはぜひおすすめしたいです。

 ー来年2023年には、2月に出版、3月に出身高校での講演も決まっていらっしゃる伊藤さん。まだまだ取材獲得されそうな勢いです。これからのご活躍を楽しみにしております!

※2022年10月7日取材当時の情報です。

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