「生パスタ自動販売機」メディア露出後の販売戦略を模索して入塾 初月に出版PRの講義を受けて書籍の商業出版が決定-強矢大輔(きょうやだいすけ)さん
生パスタの製造販売を手掛けるPR塾36期卒業生の強矢大輔さんは、以前から「生パスタの自動販売機」というユニークなアイディアで全国放送のテレビを含む数多くのメディアに紹介されていました。しかしメディアに露出したからといって、大きく状況が変わったわけではなく、その後の販売戦略を模索。答えを求めてPR塾で学び始め、およそ1カ月で書籍の商業出版が決まりました。強矢さんがどのように学びを活用して成果を出されたのか、お話をうかがいました。
■Profile
2019年、親族の経営するラーメン店の課題解決と応援のために製麺機職人として鹿児島市で起業。生パスタ麺の自動販売機事業では、テレビに出演するなどメディアの注目を集める。2022年ふるさと納税に登録すると、5か月で鹿児島市人気ランキング2位になる。2023年出版予定。今後は、地域を活性化する手段として、パスタソースの開発やフランチャイズ化に取り組む。生パスタを通して「笑い」を提供したい。
生麺快笑HP:https://namamen-kaisho.jp(製麺事業)
Instagram:https://www.instagram.com/namamenkaisho
企策快笑HP:https://kisaku-kaisho.com(コンサル事業)
数多くのメディア取材を受けるも、思ったほどの影響はなかった
-これまでにテーマパークのキャストから飲食業、CATVの営業に運送業などなど、さまざまなお仕事を経験されているそうですが、現在はどのようなお仕事をされているのですか?
鹿児島市の山奥で、冷蔵生パスタの製造販売をしています。自動販売機での生パスタ販売で有名になり、地元メディアをはじめ、全国放送のテレビでも何度か放送されています。
製麺の仕事をするようになったきっかけは、弟がラーメン店を開業したこと。当初は製麺所から仕入れた麺を使っていたのですが、2年目になる頃、何か店の特色づくりをしたいと考えていた時に、麺を自家製にしたらどうだろうかと思いついて、製麺を担当することになりました。当時ラーメンを初回する雑誌を結構チェックしたんですが、オリジナルのスープやチャーシューのコメントは多かったけれど、麺についてはほとんど書かれていなかったんですよね。特にラーメンに詳しかったわけではないのですが、製麺機を買って、2回ほど講習を受けて、あとは独自に弟の求める麺を再現できるようになりました。
-初めは中華麺だったのですね。そこからどうして生パスタに?
せっかく起業して、製麺機もあるし、他の麺も作ろうと思ったんですが、同じ中華麺だと弟の店とバッティングしてしまうし、うどんやそばは競合が多い。でも生パスタを作っているところはないなと。
鹿児島市春山町は鹿児島市内の西のはずれです。生パスタを食べられるレストランも近くにはないので、もしおいしくて簡単に調理できる生パスタを売れば、家で作ってみようという人がいるんじゃないかと思ったんですよね。
だから、通販ではなく地元で売りたかったんですが、自分で製麺しているから、まず営業する時間がないし、以前流通業界で働いていたので、メーカーがいきなり小売店に行って「扱ってください」と言ってもなかなか扱ってもらえないことも分かっていました。考えた末にたどり着いた究極の形が「自動販売機」。文句も言わないし、24時間休みなく働いてくれるし、こんな使いやすいスタッフほかにいないですよね(笑)。設置した数か月後にコロナ禍に突入したのも追い風となり、「非対面型の安全な販売方法」「山の中で美味しい生パスタが買える」などと注目されて、メディアには一時期ほぼ毎月取材されていました。取材の折にはいつも弟の店も併せて紹介してもらって、むしろ弟の店の方が有名になったので、当初の目的だった“店の特色づくり”としてはある意味成功したのかもしれません。
-多くのメディアに取り上げられてPRは好調だったようにお見受けしますが、なぜPR塾に入ろうと思われたのですか?
“ナニコレ珍百景”や“所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!”など全国放送のバラエティ番組でも取り上げられたのですが、実はその後の販売戦略を模索していました。
全国放送のおかげで「信用度」は上がり、金融機関の融資や経営相談など良い影響もありましたが、正直売り上げにはそこまで結びつかなかったので。
メディアに出たあと、何をしたらいいかという情報はあまり見当たらない中で、(LITA代表の)笹木郁乃さんの本を読んだりLINEに登録して動画を観たりして「最先端を行っている人はこの人かもしれない」と思いました。PR塾に入れば、本に書いていない裏話やぶっちゃけトークが聞けるじゃないかと期待して入塾しました。
-なるほど、メディア掲載を販売につなげる次の一手を模索されていたのですね。実際に入塾されてどんな印象でしたか?
PRプロデューサーとして活躍されている塾生の熱量を感じました。また、これまで自分一人の視点でやってきたので、社会性を持った「メディア視点」で物事を捉えるというのが印象的でしたし、実際に身に付いた部分ですね。
入塾1カ月で商業出版決定。本講義で教えられた通りにアプローチしただけ
-PR塾で得られた成果を教えていただけますか?
入塾1カ月くらいで、書籍の出版が決まりました。
-いきなりですか?
はい。ちょうど入って最初の本講義が出版PRだったんです。
講義で言われた通りに企画書を書いて、ターゲットとする本を決めて、出版社の担当者にメールしました。返事が来ないところも、断りのメールをいただいたところもありましたが、1社から前向きな返事があって。Zoomでお話をして企画書を作り直し、1カ月後には執筆の機会を得ることができました。恐らく編集者との相性もあると思うので、ラッキーだったと思いますが、本当に講義で教えられた通りのやり方で決まりました。およそ1年かけて原稿を執筆してきて、出版まであと少しです。
-どのような内容の本なのですか?
「起業のヒントになる本」という事で出版が決まったので、起業3年間の実録のような形になります。起業のノウハウも入っていますが、ノウハウだけでなくストーリーも意識して、失敗談も入れて、いろいろぶっちゃけています。「昔こんなことやってたおじいちゃんがいてね…」って代々語り継がれる本になったらいいなと思います。本を書くって、一番のPR設計だと思うんですよ。本は1回買ったら、1時間とか2時間とかかけて読んでくれるじゃないですか。だから読んでもらえたらPR効果はとても高いですよね。
学生時代、国語の点数は悪かったし、本来は本を書けるような人間じゃないので、編集者の方には頭が上がりません。あとがきだけでも10回ぐらい書き直しています。編集者という言葉のプロに、一言一句チェックしてもらえる機会は本当に貴重だと思います。
コンテンツはフル活用。ツイート感覚でSlackに質問
-もうすぐ出版、楽しみですね! PR塾で学ぶにあたり、心がけたことや工夫されたことはありますか?
せっかく入塾したのだからフル活用しないともったいないので、1年間はPR塾のスケジュールを最優先にして、ほぼすべてに参加しました。また動画は製麺の製麺の作業中に聴くようにしていたので、内容はもちろん、ノイズが入る位置まで覚えるくらい何度も繰り返し聴きました。
またSlackをツイートするようにしょっちゅう使って質問しました。5カ月目からはネタが尽きてたので、10年後を想定したプレスリリースの添削もしてもらいました。
また、ふるさと納税の返礼品として2種類の生パスタが採用されているのですが、9カ月で20,000袋を達成しました。パスタの種類は2種類なのに、組み合わせや個数などによって17種類のバリエーションを作り、選びやすい商品登録したところ、「おもしろそうだから」と選んでくれる人が増えたようです。「視点を変える」ことで得られた成果だと思います。
-将来の夢や目標をおしえていただけますか?
業務委託やフランチャイズを視野に入れて、他の県でも手軽に生パスタが手に入るような環境を作りたいです。「生パスタのテーマパーク」のような店を全国各地につくりたいんです。テーマパークって夢があるじゃないですか?ストーリー性のあるメニューで日常に夢の国を演出したり、楽しい世界観で、知的好奇心をくすぐる話題で、笑顔になってもらえるような、そんなニーズを世界中に喚起できたらいいなと思っています。
また、これまでに行ってきた経営、PR、ふるさと納税などの経験と知識を生かして、経営に悩む飲食店などの集客をサポートするコンサル事業もはじめました。本業は麺職人なんですが、2つの事業で将来的には専門的なスタッフに入ってもらってやっていけたらなと考えています。どちらも最終的には笑いを作れるような、エンタメにつなげていきたいですね。
-ワクワクする夢ですね。最後に、入塾を迷っている方にひとことメッセージをお願いします。
『0円PR』を読んで1年くらい経った頃に説明会に参加して、即決でした。私は飛び込んでから考えるタイプなので、迷いませんでした。入塾を迷う理由は人それぞれだと思います。もし、入塾費用で迷っているとしたら、多くの人が「稼ぎたい」と思っている金額に比べたら間違いなく安いです。つまり元が取れるということ。私の場合、生パスタのふるさと納税と出版で元が取れました。
ひとつアドバイスをするとしたら、入塾前にPRしたい商品やサービスを最低1つ決めておくことです。私は生パスタのおかげで、PR塾をより有効活用できました。まずは納得するまで無料で調べたらいいと思いますが、やっぱり有料級の情報というのもあります。迷ったまま何もしない時間はもったいないです。必要と感じたら、あとは決断するだけ。1年間はあっという間ですよ。
-貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。ご出版を楽しみにしております。
※2023年4月7日取材当時の情報です。