自社オリジナルの鳥獣被害対策品がメディア掲載の連鎖。全国の自治体や鳥獣被害に悩む施設などから問い合わせ殺到の人気商品に-敦賀 智行(つるが ともゆき)さん
■Profile
Office try 代表
日本大学理工学部工業化学科卒業、建築関連資材メーカーの営業部に15年間勤務する。その後、視野を広めたいと思い様々なお客様と関われるリゾートホテル会員権販売企業と業務契約を行う。約15年間で政界、芸能界、経営者など200名様以上を担当する。
経営の変化から業務契約を解消することとなり、2019年より縁あって自然な素材に拘った鳥獣被害対策品を開発・販売しています。
オリジナル商品で事業を立ち上げるも認知拡大に苦心
-入塾前に持っていたPR塾のイメージを教えてください。
商品をPRする方法というのを正直全く知らず、ただテレビのニュースで何か商品が取り上げられているのを観て、自然に紹介されていていいな…と思っていました。
でも、その方法を学ぶ場所があるとは思っていなかったので、初めてPR塾を知った時は「びっくりした」というのが第一印象です。
-ありがとうございます。そのPR 塾に入塾を決めた理由を教えていただけますか。
ちょうど事業立ち上げの一番苦しい時期だったのですが。今まで経験してきたような方法で“営業”をしても、足元を見られて価格交渉されるなど「労多くして益なし」のようなところがあったんです。
でも、PR塾で教えている方法は「これまで自分がやってきたこととは違う」と感じたので、迷いはしましたが、思い切って入塾しました。
-PRの可能性を信じたと言うことですか?
それに尽きますね。どうなるか分からないと思いましたが、郁ちゃん(代表の笹木郁乃)の実績など拝見する中で、根拠はないけれど、ここならいけるんじゃないかなって勝手に信じていました。
-PR塾に入って結果が出たきっかけを教えてください。
最初は身近なところからと、地元(千葉)のケーブルテレビさんにアプローチをかけました。自分もそこのユーザーだし、なんとかなるだろうってところからスタートしたんですが。プレスリリースを作って、徐々にアプローチを進めていたら、いつの間にかご紹介ご紹介で取材が入ってきたという感じなんですが、きっかけは塾生と話をしたことでした。
コロナで講義はずっとリモートでしたが、塾生の方が都内でランチ会を企画してくださったので、そこで初めて他の塾生の方とリアルで話す機会がありました。話をしていたら「獣害だったらこの新聞社がいいんじゃない」とか「ここはyahoo!ニュースさんに転載されるよ」などの情報をいただいて。本当にそれが取材の連鎖のスタートだったので、今でも皆さんには感謝しています。
PR塾生との情報交換でメディア掲載の連鎖。問い合わせ・受注が一気に100件
-受講生同士の横のつながりを通して取材獲得が続いていたということですね。
はい、本当に受講生同士のつながりがなかったら、どうしていいか分からなかったと思います。情報交換のためにと思い切って都内へ出向いて、たまたまそういう話になって、人のご縁をいただいて、それが今に至るというところです。
早い段階で取材してくださっていた千葉日報の記者さんが、毎日新聞社に転職され、先輩記者さんに弊社を推薦して頂いて毎日新聞の千葉版に掲載されたこともありました。警視庁捜査一課を担当されていた凄腕記者さんで、掲載後の反応が凄かったです。毎日新聞からYahoo!ニュースへの転載もありました。
その後、全国農業新聞社さんより取材依頼を頂き、その流れで米どころ南魚沼市、大谷翔平選手の出身地である奥州市、南会津市、鴨川市などさまざまな自治体から相談と言う形で問い合わせをいただいたり、発注に繋がっています。
地元のケーブルテレビ、新聞から始まって、全国紙、全国放送のテレビ局と、毎月取材が入っていました。
-全国農業新聞への掲載後、お客様からのお問い合わせが多数あったとうかがいましたが、実際に何件くらいのお問い合わせがあったのですか?
全国から100件を超えるご注文やお問い合わせがありました。オーダーというよりも「困っているので何とかしたい」という半ばご相談という形でのご連絡が非常に多かったですが、そこから「やってみたらお困りが解決した」ということで、現在リピートにつながっているという状況ですね。
-売り上げにつながっているのですね。続いてPR塾の「良かったところ」をお聞きしたいのですが、先ほどおっしゃっていた塾生同士の関わりですか?
そうですね。人とのご縁は広がっていますね。アウトプット練習会などで塾生同士が話をする機会もありますし、メディア交流会をきっかけにメディアの方とつながって取材していただいたことも2回くらいありますし。また、ゲストでいらしたメディアの方に「社会性」の部分を教えていただいたり、取材につながるヒントもいただいたりして、その方向でメディアアプローチを進めたら、取材につながったこともあります。
また、PR塾の仕組み自体も良かったです。本講義があり、アウトプット練習会があり、メディア交流会があり、動画でひとりでも学べるしという、かゆいところに手が届くような仕組みだなと実感しています。
-講義や練習会での第三者からのフィードバックは役に立ちましたか?
それが一番大きいですよね。一般的には他者に意見を求めても「いいんじゃないですか?」って当たり障りのない内容で終わることも多いですが、PR塾の場合は「それじゃ分からないですよね」っていうぶっちゃけの意見から始まって、でもそれで切り捨てる訳じゃなく、「じゃあどうしたらいいんだろう?」というところまで一緒に考えていただくこともあり、
客観的な意見って大事だなと感じました。
-PRの魅力を教えてください。
PRって自分たちの取り組みを第三者的に分析して、それを今の社会情勢と合わせた中で「何ができるか」を伝えることなんですよね。僕の場合はイノシシやシカの害獣対策になりますが、そのやり方に関して「こだわり」がないとPR設計もできないので、他とは違う「こだわり」はなんだろう、というところに行き着きます。自身のビジネスの軸を確認するためにも、PRはなくてはならないものだと思いますね。
“商品を売りたい”から、“社会的課題を解決するために役に立ちたい”のスタンスへ
-行政の方からのお問い合わせも増えたんですよね。
はい。でも行政の場合は予算の事情もあって、すぐに注文には繋がりづらいんですよね。
愛知県の自治体の方から「イノシシが住宅地の公園に出没していて、毎日のように近所の方からも通報が相次いで非常に悩ましい」というご連絡をいただいたのですが、すでに予算は尽きてしまっている時期で。でも切実なご相談だったので、これは何とかしたいなと思って、千葉から愛知は遠いですが、無償で現地を訪れて、材料費もこちら持ちで弊社製品を設置しました。すると、翌日からイノシシは来なくなって通報も当然なくなり、「非常に助かりました」と大歓迎していただきました。
ちょうどメディア交流会の時に、愛知県の記者さんがいらしたので、この件を話してプレスリリースを送ったら取材につながり、「こういう方法もあるんだね」とまた同じように悩んでいる自治体さんから連絡をいただいて、皆さんがハッピーな状況になっています。
正直、手弁当で行くのは非常に勇気がいることでしたが、何とかしたいということはもちろんですが、郁ちゃんが、広報時代のエピソードとして商品提供をされていたことなどを話していたことを思い出して、自分も動いてみたというところです。
メディアを通じてどんどん広がっていった結果、大げさかもしれないけれど「人の命まで守る」ところまで行ったのかなと思います。イノシシと遭遇してケガをしたというニュースもありますし、社会的課題を解決する役に立てれば良いと思えるようになりました。
なので、これまでは素材の特徴としてベールに包んでいた部分も公表して、他の商品と何が違うのかというのを伝えています。同業他社へのヒントになってしまうかもしれませんが、それよりも今は「社会を良くしよう」というステージでやっています。
-社会全体まで目を向けるようになったきっかけは?
やはり、PR設計を勉強しなければ、このスタンスには全く立ててないですし、今の形はないと思いますね。もしかしたらもう、諦めてやめていたかもしれないです。いくら良い商材でも、それが受け入れられなければ経営は成り立ちませんので。
-どのような方にPR塾を勧めたいですか?
事業で悩んでいる方、認知拡大のためにどうすればいいんだろうと思っている方はたくさんいらっしゃると思います。世間ではまだまだPRは知られていない部分が多いので、逆に人がやっていないことは非常にチャンスなわけです。
一歩踏み出されることで、同業他社より抜きん出ることができますし、一度前に出ればアドバンテージになり、社会的貢献度も高くなると思います。
「どんな人にも可能性はある」っていうのは自分が実感したので、特に「想いがある人」にはおすすめしたいですね。
-貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。敦賀さんの商品が必要な方に届き、全国の鳥獣被害が解決する日を楽しみにしております。
※2023年6月26日取材当時の情報です。