受講生インタビュー

コロナ禍で逆境にあっても、PR塾で発想を逆転!メディアへの露出を増やし、売上キープを実現。さらなる進化もめざす企業PR担当者-櫻木 潔さん

今回のゲストは、株式会社イートジョイ・フードサービス専務執行役員の櫻木 潔さんです。もともとは居酒屋の大将でありながら、PRの重要性を感じて勉強を始め、PR塾の門下生となった櫻木さん。そこで成功した「メディア」へのイメージチェンジ。PR塾で学んだことを活かし、コロナという未曽有の試練にどのように立ち向かっていったのか、お話を伺いました。

-Profile-

櫻木

PRプロフェショナル協会認定 PRプロデューサー

㈱イートジョイ・フードサービス 専務執行役員

外食部門の統括とCMOとしてマーケティング(商品企画開発、店舗開発、PR、セールスプロモーション)を担当する。

https://donan-norin-suisanbu.com

他の講義を受講後に出会った「0円PR」と「PR塾」。体系化されたロジカルな講義内容に、学びが深まる。

- 本日は、よろしくお願いします!

よろしくお願いします!

- 今は外食系のお仕事をされているということでしたよね。

はい。株式会社イートジョイ・フードサービスという会社は、主に居酒屋なんですが、今は中食部門と、別会社にて美容系もやっていまして、基本的には会社の代表がそれら全部を管轄しています。僕自身は専務執行役員(CMO)として、外食部門の5店舗の統括とマーケティング(商品企画開発、店舗開発、PR、セールスプロモーション)を担当しています。

- そもそもPR塾を受けようと思ったきっかけは、何でしたか?

3年ほど前からPRの重要性を感じていました。外食産業では大手さんはPRをしっかりやっているんですが、中小企業の飲食店はほとんどPRを分かっていないのが現状でした。どちらかと言うと、PRとセールスプロモーションに分けるとしたら、直接的販促、つまり広告系のほうだけを重要視してしまっている人たちがいっぱいいたんです。そんな中、うちはPR自体の重要性を認識していて、実際、大手のPR会社さんなどを使ったりして、ある程度の成果が出ていた状態ではあったんですが、これを自社にどう内製化して落とし込んでいくかが課題でした。

勉強を進める中で、1DAYのプレスリリースセミナーなどに行ったりしましたが、正直、分かりづらくて、思うような知識や効果が得られませんでした。そんな時に、名古屋の知人であるママバラの上条厚子さんやブルームダイニングの加藤弘康さんが、FB投稿で『0円PR』を紹介していて、「すごく良いよ!」と言っているのを見たんです。自分の知人でとても尊敬しているお二方が同時におススメしているということは間違いない!と思い、『0円PR』を読んだんです。それが受講の決め手でしたね。

-櫻木さんは受講する前までPR自体は素人だったんですか?

そうですね。PR代行に頼んでやってもらっていた感じなので、完全な素人でした。

-でも、自分でやってみようと、セミナーなども受けたりされていたんですね?

はい。でも、どう学んだら良いのか分からなくて。そんな時、『0円PR』を読んだらすごく分かりやすくて、マーケティング理論に共感できました。

-その後、受講されての率直な印象を教えてください。

笹木さんの講義は非常に丁寧で初心者でも分かりやすくて、簡単に説明してくれたので、スッと頭に入って来るような内容でした。また、PR塾の講義内容は体形化できていてロジカルに深く学ぶことができたし、経験値に基づいて説明してくれるので、すごく分かりやすかったですね。

-櫻木さんは何期生になるんですか?

15期生の対面受講でした。PR塾はロジカルですごく分かりやすいんですが、僕は基本的に自分の手に取って使うまでに時間がかかるタイプなので、もう1回受けようと思って、そのまま広報プロの在宅(zoom)コースの第1期を継続受講しました。

-では、対面でも受講した後、在宅プロコースも受けられたんですね!

はい。でも、実際は、第15期の対面受講がコロナでzoomになっちゃったんですよ。最終講だけ対面の予定だったんですが、まだ東京に行けず名古屋でzoomで受けたので、結局、両方ともWebでの受講でした。

-なるほど。オンライン上でも学びに問題はなかったですか?

そうですね。ロジカルに深く学ぶことができました。手ごたえがあったというのは間違いないと思います。

コロナ禍の中、メディアの人が本当に求めているものは何か?PR塾で得た逆転の発想で、メディア関係者のハートをがっちり掴む!

-PR塾を受けてどんな結果があったか、教えてください。

受講後は、大きな2つの問題点に気付いて、それを解決できたのが1番の収穫です。

1つ目の問題点は、プレスリリースを書く時に自分の売り込む商品に想いが強すぎて、自分本位なプロダクトアウトの発信しかできていなかったところです。もともと自分で商品の開発や企画もするので、その「商品を売り込む」という概念だけでプレスリリースなどを書いたことはありました。でも、受け手側が何を求められているのか、というのが全く分かってなかった状態で書いていたんですよね。そうすると、やっぱり受け手としては、「で、何?」という話になってしまう。PRは広告ではないのに、まるで広告のように伝えているだけだった、という問題が1つありました。

-もう1つの問題点とは?

マスメディアの方は「雲の上の人たち!」「たかだか居酒屋の大将がしゃべれる相手じゃない!」などと、何か特別な存在というふうに勝手にイメージしてしまって、一線を置いたコミュニケーションしかとれていなかったことです。

-メディア側の人を対等じゃない、上の立場の人と見ていたということですか?

そうですね、勝手に神格化しちゃっていた、という感じでした。

でも、講義の中で「メディアの方も普通の人間ですよ」という話があった時、すごく腑に落ちて、勉強になりました。あと、メディアの方々は大変な業務の中、いつも膨大な量のプレスリリースを見て、視聴者の方の人たちに新しい情報を伝えるための情報収集もすごくしている。相手の一生懸命さに気がついた時、相手のベネフィット、つまり利益や利潤がどこにあるのか、というところに気づきました。そして、メディアの人が今の時期に何を欲しているのか、といったところが手に取るように分かるようになってきました。これは大きな成果だったと思います

-マスメディアへのイメージチェンジができたことで、一線を置いたコミュニケーションから、より一歩踏み込んだ、近いコミュニケーションができるようになったんですね。

今回は、コロナ禍の影響があって、今までも繋がりがあった人たちを含め、4月ぐらいから取材の依頼が結構たくさんありました。実際、初めは、コロナ禍の「今、大変です」というのを伝えるだけの話なので、自分自身のお店のPRにならないんじゃないかと思い、断ろうと思っていました。

でも、よく考えると、メディアの方は本当に伝えたいことを求めているのではないかと思い、「取材を受けてみようかな」という気持ちになったんです。もしPR塾を受講していなかったら、自分のところの宣伝にならないんで、みたいな考え方で受けずに、断っていたかもしれません。

実際メディアの方に来てもらうと、メディアの方の気持ちも分かるようになってきて、普通に雑談をして、「お互い大変ですよね」といった話もできるようになってきました。例えば愛知は時短営業の方針が先週木曜日の夕方3時に決まったんですが、そういう場合、記者の方は上司のデスクから「今行って、画を撮ってこい!」って言われる。そんな裏話も聞けたりして。それならうちがお役に立てれば、みたいな感じで話して、いつでも困ったら電話くださいって言ったら、バンバン電話がかかってくるようになりました。記者さんの中で回してもらっても良いので、とも言ったら「〇〇がお世話になってます」みたいな感じで、今では一つの局で僕の携帯電話の番号が出回るぐらいになっています。

コロナ禍でもインタビューを受けることによって、主力商品やサービスも取り上げてもらっています。今回、冬の鍋の主力商品で、「痛風鍋」というプリン体たっぷりの鍋があるんですが、それと「リモート宴会席」というサービスを合わせて、プレスリリースで渡しました。社会性を重視しながらうちのメインの名物を売る、みたいな感じです。これに関しても、今まで報道取材など、コロナ禍でずっとインタビューしてくれた方たちは、「リモート宴会席も取り上げますんで!」って言ってくれたり、コロナ禍の中で、Go To Eatが始まってちょっと盛り上がってきたころは、「今まで撮りためていた映像があるので、一緒に密着型のようなのをやりましょうか」みたいな形で声を掛けてくれたりしました。メディアさんとのコミュニケーションが取れて、上手く付き合っていけるようになってきたところが一番の成果かなと思います。

- ほぼ毎週のようにテレビに出られてますよね。

ここ最近のところは、そんな感じですね。

【櫻木さんのメディア出演実績】

  • 5月12日 【中京テレビ】キャッチ 栄店 緊急事態宣言延長対策は?togo 
  • 5月14日 【TV東京】全国 ワールドビジネスサテライト 一言インタビュー
  • 5月12日 【中京TV】キャッチ テイクアウト
  • 6月3日  【CBC】チャント生中継(コロナ禍で生まれた新サービス)togo
  • 6月4日  【TV愛知】はちまるまる テイクアウト紹介
  • 6月25日 【中京TV】キャッチ テイクアウト(ポテサラクイズ)
  • 7月23日 【中京TV】キャッチ 報道 コロナ状況
  • 7月30日 【中京TV】キャッチ 報道 コロナ状況
  • 8月4日 【中京TV】キャッチ 報道 時短要請
  • 8月5日 【TV愛知】5時スタ 報道 時短要請 WBSへも
  • 8月24、25、26日 【中京TV】キャッチ 報道 コロナ状況3日連続OA
  • 10月27日 【CBC】チャント 報道 生中継 痛風こなべリモート専用席
  • 10月28日 【TV愛知】5時スタ 報道 GoToEat
  • 11月6日 【中京TV】キャッチ 生中継 痛風こなべ&リモート
  • 11月11日 【中日新聞】忘年会状況、コロナ対策
  • 11月13日 【メ~テレ】ドデスカ!忘年会 痛風こなべ&リモート
  • 11月19日 【中日新聞】リモート飲み専用席
  • 11月20日 【中京TV】キャッチ 第3波(PR塾メンバー出演)
  • 11月25日 【日経新聞】GoToEat状況
  • 11月26日 【CBC】チャント 棚橋弘至の愛してまーす!痛風こなべ&リモート
  • 11月27日 【中京TV】キャッチ 時短要請 キー局Zero、Zipに転用OA
  • 11月27日 【TV愛知】5時スタ 時短要請への対応
  • 12月6日 【TV愛知】サンデージャーナル 痛風こなべ&リモート席
  • 12月9日 【TV愛知】5時スタ 密着4月からの取り組み 痛風こなべ&リモート
  • 1月17日 【東海TV】タイチサン 鍋特集

-すごいですね。やっぱり飲食業界はコロナで大変だとは思うんですが、それがメディアの露出などにもつながって逆転効果が得られたというか、逆境の中でも効果を生めるようになったという感じですか?

そうですね。逆境の中でも色々話していくにつれて、メディアの人も飲食店を責めたいわけではなくて、肯定的に取り上げたいと思っていると気づきました。そんなふうに公平に、うちのちょっとしたPR商品などもしっかり取り上げてくれたりしたおかげで、11月に関しては、売上が9割方戻ってきた状態です。それもメディアへの露出で生まれた良い効果ですね。うちは、1店舗が時短営業のエリアに入っていたんですが、売上が落ちずにいられているのは、メディアへの露出によってうちの痛風鍋が軽くバズっているという部分もあるかなと思います。

-PR塾を受ける前の、メディアの方と一線を引いていた関係のままだったら、そういった結果は生まれてなかったかもしれませんね。

そうですね。その可能性が高かったですね。実際のところ、自分の中でPRというのを履き違えて宣伝広告みたいな捉え方をしていたので、「良いところを取り上げてもらえないんだったら断ろう」という判断をしていたと思います。

-なるほど!

逆にいつでも連絡できる関係性だけもっと作ってしまえば、「今、状況はどうですか?」みたいな感じで、LINEやショートメールが入ってくるんですよ。さらに、このままの状態でいければ、コロナが収束してきた段階になって復活するときも、優先的に取り上げてもらえる関係は作れてきたかなという気がします。

-PR塾でメディアとの関係性を構築することを学んだのでしょうか?

構築しましょう、ということまではなかったと思いますが、一番言われて良かったのは、「メディアの方も人間なんだよ」ということですね。向こうもどんどん情報を欲しているので、一線を置かなくてもいいんだよ、というようなことも学べました。

-やっぱりコロナで大変だと思うんですが、その状況で90%まで盛り返すことができたというのはすごいですね。

そうですね。僕のところは実際、宴会はゼロに近いのですが、僕たちがフリー客と呼んでいる2~4名様ぐらいの少人数のご予約や、単品で頼まれるお客さんだけで100%は超えているので、9割ぐらいまで上がってきたという感じです。

「PRありきの商品開発」自らの経験と実績からつかんだそのノウハウを、外食産業全体の活性化に役立てたい!

-PR塾を卒業後、どのような変化がありましたか?

PRを中心に考えることで、商品開発や業態開発、プロモーションの質も劇的に向上しました。例えば痛風鍋だったり、今だったらコロナに絡めた商品開発だったり業態開発だったりと、頭の切り替えができて、アイデアが湧くようになりました。

もともとコテコテの飲食上がりなので、今までは「いかに美味しい商品を作るか」ということだけにとらわれていました。でも、「ちょっと待てよ」と考えると、実際PRでメディアに取り上げられる商品というのは、もちろん奥のユーザーである消費者が求めている情報だから取り上げられると思うので、商品を企画・開発している途中から、「どのようにこの商品をPRしよう」というふうに考えて、PRありきで動き始めるようになりました。

-広報部と商品開発部を一緒くたにできるということは、スピーディーでもありますよね。

そうですね、かなりスピーディーですね。僕は料理人ではないので、料理の開発などはできないですが、料理長クラスの開発メンバーが何人もいて、僕が「この商品をこういうふうにこの価格で作ってくれ」と依頼する流れになっています。その時点でどこがフックになるとか、PRの要素を含んでいるので、チームを組んでやっているうちに、開発の料理人たちもPRを頭におきながら開発してくれるようになりました。スピードはアップしましたし、いい流れになった状態ですね。

-今後の夢や目標をお聞かせいただけますか?

外食業界で認知獲得に困っている会社へのプロデュースもしていきたいですね。先ほども言った通り、外食産業ではPRと普通のセールスプロモーションの区別も付いてないという人が結構います。ですから、SNSや広告を含めて、「どういうふうにお店の認知を高めて、お客さんとのコミュニケーションを取っていくか」という認知の拡大の仕方を伝えていく仕事に関しては、今後、うちの会社以外の会社もお手伝いできたらいいな、と。

-櫻木さんの目の前に、新しい扉が開いているんですね。

そうですね。もしPR塾を受けてなかったら、考えや目標・夢はやっぱり出てこなかったかもしれません。PR塾の同期のメンバーと一緒に仕事ができたらいいなと思いますし、実際、飲食業界からも依頼をもらっている塾生の方たちもいるので、PRありきの商品開発や業態開発など、僕の得意分野を活かしてPRごと提案をすることで、ブレーンとして使ってもらえると嬉しいなぁなんて思っています。

-今までは、商品が今の世の中と合致するというのがオーソドックスだったかもしれませんが、これからは、世の中の情勢も考えて商品を作ったり業態を作ったりというのがベタなセオリーになっていくのかなと思いますね。

その通りだと思います。

-もっとお話をお聞きしたいところですが、この辺りで。短い時間でしたが、楽しいお話を聞かせていただきありがとうございました。

ありがとうございました!


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